RSウイルスに対する母子免疫ワクチン(アブリスボ®)の接種を開始しました
2024年8月1日から、当院でもRSウイルスに対する母子免疫ワクチン(アブリスボ®)の接種を開始します
・対象: 妊娠24~36週の妊婦
(28~36週での接種が28週以前の接種より有効性が高い傾向が臨床試験において認められているため当院では28~36週での接種を当院では推奨します)
・接種方法: 1回 0.5mL 筋肉内注射
・費用: 1回 32,000円 (税込)
・効能・効果:
妊婦への能動免疫による新生児および乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防
(能動免疫とは、感染力を持たないウイルスの断片を接種することによって体内の免疫システムが反応し、ワクチンに含まれているウイルスを識別して抗体を作りだす機序です)
→妊娠中に母体に接種することで、お母さんの中和抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、出生後の赤ちゃんをRSウイルスの重症化から守ってくれます
・概要:
RSウイルスは、乳児及び高齢者の呼吸器感染症の原因となることが多く、年長児や非高齢者成人では感冒症状程度のみで自然軽快しますが、生後数か月までの乳児に感染した場合には一定の確率で急性細気管支炎や肺炎などの重症化の原因となることがあります。
現在、国内では乳児に対するRS抗体製剤(シナジス®、ベイフォータス®)が接種可能ですが、対象は早産児や先天性心疾患、免疫不全症等のRSウイルス感染症の重症化リスクの高い新生児および乳幼児に限定されています。しかしながら2歳未満のRSウイルス感染症重症化による入院は基礎疾患を持たない新生児、乳幼児のケースも多く、特に生後6カ月未満(とりわけ1-2か月)のRSウイルス感染症は基礎疾患の有無によらず重症化リスクが高いため、出生前および生後早期からの予防策が必要とされています。
第2子以降の場合は、きょうだいからの感染リスクも高く、また第1子であっても早期から保育園入園などを検討されているお母さんにはアブリスボ®の接種をお勧めします。
ただし、接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立されていないため、接種を検討される場合には早めに接種いただくほうがよいと考えます。
当院は産科ではなく小児科ではありますが、RSウイルス感染症の重症化、入院のお子さんを多く診察させていただいてきたことから、産まれてくるお子さんの健康に寄与できる方法はないかと考え、アブリスボ®の接種を当院でも実施することとしました。
ごきょうだいの受診の際でも気になることやご質問などお気軽にお声かけ頂けましたら、幸いです。
・予約方法:
接種を希望される場合は 当院 TEL: 03-5626-0300までお電話にてご連絡ください
(ワクチン取り寄せの関係上、Web予約は受け付けておりませんのでご注意ください)